これからは、ビラまきは逮捕らしい

以下、ニュースの引用。
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<熊本日日新聞>
市民運動家3人に逆転有罪 立川反戦ビラ事件
 東京高裁判決を受け記者会見する、立川反戦ビラ配布事件の(左から)大西章寛、高田幸美、大洞俊之の3被告=9日午前、東京・霞が関の司法記者クラブ

 自衛隊のイラク派遣に反対するビラを配るため自衛隊宿舎に立ち入ったとして住居侵入罪に問われた市民団体メンバー大洞俊之被告(48)、高田幸美被告(32)、大西章寛被告(32)の控訴審判決で、東京高裁は9日、全員を無罪(求刑懲役6月)とした1審東京地裁八王子支部判決を破棄、大洞、高田両被告に罰金20万円、大西被告に罰金10万円を言い渡した。

 判決理由で中川武隆裁判長は「配布の仕方が社会的に認められる範囲内だなどとして、刑事罰に値する違法性(可罰的違法性)がないとした1審判決は、事実を誤認している。表現の自由が尊重されるべきであっても、そのために他人の権利を侵害してよいことにはならない」と述べた。3被告は直ちに上告した。
http://kumanichi.com/news/kyodo/index.cfm?id=20051209000170&cid=main
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<読売新聞>
ビラまき有罪 居住者の不安重視
 「原判決を破棄する」――。市民団体「立川自衛隊監視テント村」のメンバーが、自衛隊イラク派遣反対のビラを自衛隊官舎で配布したとして住居侵入罪に問われた裁判で、東京高裁の中川武隆裁判長は9日、大西章寛被告(32)に罰金10万円、高田幸美(32)、大洞俊之(48)の両被告に罰金20万円の有罪を言い渡した。1審の無罪と今回の判決を分けたのは、刑罰に値する違法性があるかどうかの判断だった。被告らは「不当判決だ」と反発するが、「居住者の不安を重視した判断は妥当だ」とする専門家もいる。
 検察側は1審で、テント村と過激派団体との関連を立証し、テント村の存在そのものを問題視しようとしたが、地裁八王子支部に退けられた。2審では、郵便受けにビラを投函(とうかん)する目的の住居侵入で有罪になった他の事件の判例を示すなどし、1審で否定された「可罰的違法性」の認定を求める主張に力を入れた。
 今回、中川裁判長は「官舎敷地や建物共用部分は住居である」とし、3人の行為は1審と同様、住居侵入に該当すると認定。その上で、住民側が掲示をしたり直接注意したりするなどの対策を取ったにもかかわらず、立ち入ってビラを投函、「抗議を受けても同じ行為を繰り返した」と指摘。可罰的違法性について「法益侵害の程度は軽微とは言えない」と結論づけた。

 東京高裁の725号法廷で同日午前10時に判決の朗読が始まると、高田被告は中川裁判長らをじっと見つめ、大洞被告は目を閉じて腕を組むなど、3被告とも一様に険しい表情を崩さなかった。閉廷後、傍聴していた支援者らは「不当だ」などと抗議の声を上げた。
 有罪判決を受けて開かれた会見で、3被告と代理人は判決を激しく批判した。高田被告は「表現の自由を守るために戦わなくてはいけないと思ってきた。この判決が確定したら、民主主義にとどめを突き刺してしまう」と、時折涙ぐみながら訴えた。代理人は「1審が詳細に検討した違法性や表現の自由についての考慮がなく、極めて不当だ。上告して争う」と語った。
 3被告と支援者は同夜、立川市で報告集会を開き、「無罪判決を勝ち取るまで戦おう」と誓い合った。
 有罪判決を受け、立川署の小野吉朗署長は「判決文を見ていないのでコメントできないが、捜査は適正に行ったものだ」と話した。一方、防衛庁広報課は「裁判所の判断にコメントする立場にない」としている。
 ■張り紙で拒否意思明確◆住居侵入にあたらない■
 前田雅英・首都大学東京教授(刑事法)「1審判決は、ビラ配布の目的、手段、被害の結果を考慮し、違法性を判断した。その枠組みは妥当だが、表現の自由の観点などから、目的の正当性を重くとらえすぎた。2審は被告らの行為の相当性、居住者の権利侵害の程度を適切に評価した。治安が悪化している社会状況を踏まえれば、居住者の不安感は軽視できない」
 元最高検検事の土本武司・帝京大学客員教授(刑事法)「高裁判決は正当だ。居住者は張り紙などでビラを入れられたくないという意思を明確にしていた。裁判所は、居住者の承諾がない立ち入りは違法だと、広く警鐘を鳴らした。今後の類似裁判にも影響するだろう」
 松宮孝明・立命館大学法科大学院教授(刑事法)「被告らは、建物の階段という共用部分までしか立ち入っておらず、住居侵入罪には当たらないと考える。共用部への立ち入りを禁止するには、住民全員で総会を開き、総意を形成する必要があるが、この件はそれをしていない。上告審では、侵入にあたるか否かが争点になるだろう」
(2005年12月10日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news001.htm
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<朝日新聞>
一審無罪判決破棄、被告3人に罰金刑 立川ビラ配布訴訟
2005年12月09日13時04分

 東京都立川市の防衛庁宿舎で、自衛隊のイラク派遣に反対するビラをまいて住居侵入罪に問われ、一審で無罪となった市民団体「立川自衛隊監視テント村」のメンバー3人の控訴審判決が9日、東京高裁であった。中川武隆(たけたか)裁判長は、3人の行為は住居侵入罪にあたるとし、「ビラによる政治的意見の表明が保障されるとしても、宿舎管理者の意思に反して立ち入ってよいことにはならない」と述べて一審判決を破棄。3人を罰金20万円または同10万円とする逆転有罪判決を言い渡した。3人は即日、最高裁に上告した。

 検察側は全員に懲役6カ月を求刑。一審・東京地裁八王子支部は「3人のビラ配布は憲法が保障する政治的表現活動のひとつ。民主主義社会の根幹を成すものとして、商業ビラより優越的な地位が認められている」と指摘。「住居侵入罪の構成要件には該当するが、刑事罰を科すほどの違法性はない」と判断していた。

 高裁判決は、宿舎の出入り口などに「関係者以外立ち入り禁止」との表示がされていたのに立ち入ったことなどを考慮し、「3人の行為は管理権者の意思に反する」と述べ、住居侵入罪にあたると認定。そのうえで表示があったことや、住民が1度抗議をしていることを重視。被害が「『極めて軽微』とした一審判決は誤り」と結論づけた。

 一審判決が表示について「目立たないものだった」、住民の抗議について「居住者1人からの個人的なもので、居住者の総意とはいえない」といずれも消極的な評価をしたのとは対照的な判断となった。

 罰金の額は、起訴事実となったビラまきが04年1月17日の1回だった大西章寛(のぶひろ)被告(32)が10万円、同年2月22日を加えた2回だった高田幸美被告(32)と大洞(おおぼら)俊之被告(48)がそれぞれ20万円。そのうえで未決勾留(こうりゅう)日数を1日5000円に換算して20日分(10万円)を差し引いた。これにより大西被告が支払う額はゼロとなる。

 自衛隊のイラク派遣をめぐって議論が衝突していた昨年初め、公安警察主導の捜査で逮捕・起訴に至ったこの事件で、弁護側は「憲法が保障する表現の自由の侵害」と摘発を批判し、無罪を主張した。3人の勾留期間が75日にわたったことから捜査当局に対する裁判所のチェック機能のあり方も問われた。
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 以上、3紙から引用。こうしてみると、各新聞の性格が出て面白いが、ビラを撒いたくらいで「代用監獄」に75日もぶち込まれたのではたまったものではない。3人に同情。
 判決自体はいち住民の抗議をどう捉えるか、階段スペースは住居か、などの法学論としてマトモなのかも知れない。
 が、それより問題なのは、ビラ撒きに対して75日も勾留する公安警察の「過激」ぶりだろう。こんなことが認められるなら、公安はやりたい放題である。
 言っておくが、これはいわゆる「左翼」などの過激分子だけではなく「全国民」に 関係する。公安が、パブリック・セキュリティーを乱すと判断すれば、何日でも勾留できてしまうというこがこの件の最大のポイントだ。
 そもそも公安とはどういう組織か。またまた引用で申し訳ないが、おそらくネットで最も信頼できるサイトであるウィキペディアからである。
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<wikipedia>
公安警察(こうあんけいさつ)とは、日本の政治秩序の安定を目的とする警察の捜査部門の総称。警察庁 警備局がその中枢部分を担い、地方の警察本部に属する警備課の公安課・公安係が末端部分を担う。特に首都東京都を管轄する警視庁では公安部として独立し、警察官約2000名を擁する巨大組織となっている。

公安警察は、戦前の特別高等警察を解体した代わりに創設された。左翼(日本共産党・新左翼)・右翼・オウム真理教(現アーレフ)などの新興宗教・朝鮮総連・労働運動・反戦運動など、団体別・領域別に運動を監視し、必要とあらば公権力を発動する。一般に、刑事事件担当の警察官よりも、公安担当の警察官のほうが地位が高いと言われる。

左翼を抑えるために右翼団体と癒着し、その力を借りている、と一部で指摘されている(鈴木邦男『公安警察の手口』)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E5%AE%89%E8%AD%A6%E5%AF%9F
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彼らをどこまで信用できる?酔っぱらいに運転を任せるようなものではないか?
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by g2005 | 2005-12-10 22:32
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