音楽とメッセージ性

 システム・オブ・ア・ダウンというバンドがいる。メンバーはアルメニア系アメリカ人。彼らの音楽は、ざっくりといってしまえばルーツである中東系のメロディと、アメリカ的ハードロックのミクスチャーである。しかし、それを越えた何かがある。圧倒的音圧の中に潜む、得体の知れない何か。確かに、政治権力を批判するような歌詞が読みとれるが、正直なところ意味不明である。しかし、何となく圧倒され、そして、感じるのである。

 バンドメンバーはインタビューで「リスナーが音を聞いて何かを想像してくれれば成功」と言っている。俺には、彼らの音が、まるでピカソの「ゲルニカ」と同じ衝撃に思えた。


 素直に政治権力に対して「FUCK!」という戦い方がある。思っていることをそのまま若さに任せて言ってしまうわけだ。ロックな戦い方である。

一方、「FUCK!」を理論武装させ、論文、新聞記事、ブログなどに載せて、論理的に伝えるという手段もある。これはオトナな戦い方である。

システム・オブ・ア・ダウンがやっていることは、このどちらでもない。
ピカソがゲルニカを描いたことと、本質的に同じである。
言葉になる以前の巨大な感情を、キャンパスにぶつけること。
言葉になる以前の巨大な感情を、ギターやベースやドラムやマイクロフォンにぶつけること。

システム・オブ・ア・ダウンは「アーチスト」と呼ぶに値する唯一のバンドだと思う。
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by g2005 | 2005-12-23 01:44 | 主張
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