社員旅行で東京ヒルトン(!)に宿泊。旅行といっても金曜の宴会と宿泊以外何一つ制約がないので、本社勤務のや東京近辺の営業所員はやることがない。ところが宴会で社長が「これで遊んでこい」と全出席者に5000円ばらまいたので、さすがにそのまま財布にいれてしまうのも不義理が過ぎる。中3まで住んでいた横浜栄区に行くことにした。
根岸線の港南台で降りて、歩いて母校の中学校へ。 通りから一本入って住宅地方面へ。あるいてみるとこのあたり、本当に家しかない。ビール片手にフラフラしようと思ってたが物理的にむり。中学校の前に昔あったスーパーは駐車場に変わっていた。 中学になってからよく行くようになった公園は工事でキャッチボールすらできないありさま。やっと小さな酒屋を見つける(というか思い出す?)が、既に尿意がMAXでこの上ビールを飲むとやばそうだ。ていうか公園にトイレが全くないなあ。仕方ないので通りに出てコンビニで便所を借りる。 次なる目標は俺の通った小学校。通学路の商店街は5割くらいがシャッター化。なんで?商店街の中にある昔よく来た「ラーメン藤」に入ったら、おばちゃんがまだ俺のことを覚えていてかなりビビった。 その後もウロウロするが基本的に家しか無いので面白くも何ともない。市立のプールは入場料が子供60円→100円になってた。うーむ。そもそもこのプール、焼却炉の余熱を利用してるんだから原油価格の高騰は関係ない筈なんだが… 家の近くにあったもう一つの商店街。こっちは、本屋の横にゲーム機が5台くらい並んでいて、1ゲーム30円くらいだったのでよく通った。が、今日は行かなければよかったね。商店街の8割(誇張でもなんでもない)がシャッター。うーむ。 最後にこの町に来たのは大学一年の時だからもう6年前になる。その時はこんな風に歩き回らなかったし、頭も悪かった(今も大してよくないけど)から分からなかったけど、色々とあったみたいだな。というか、俺の「見る目」が変わったんだろうけど。 まあ、住んでる奴が年取って、ガキは大人になって、大人は年寄りになって、その間にまたガキが生まれ、それで年寄りはさらに年取って死んだり介護施設に押し込まれたりっている変化はどこにでもあることで。 ここってモロ「ベッドタウン」なのね。みんな家が立派、やたらと庭がキレイ、家に駐車場があるってのはもうデフォルトみたい。(1時間にバスが7~8本あるのに車がいるのか?) 多分、パパは月~金は通勤、ママは専業主婦で買い物は車、ボーヤは学校に通って、土日は家族でショッピングモールに出かけたり、出かけないときパパはガーデニングってところだろうな。ここに住んでるガキ共は何してるんだろう?俺がガキの頃はそこら中で遊び回って、公園にはいつもガキがいて、場所の取り合いでケンカになったり野球でケリをつけたりしていたが、今の公園は草ぼーぼーだったりする。そのうち大事件が起きなきゃいいけどね。 気になったのが「斜面にマンション建設反対」とか、宅地造成に反対する看板。おいおい、お前のすんでいるココだって、昔は山だったんだぜ。俺はオーケーだけどお前はダメってか。もう何十年も前から「建設予定」のままの高速道路予定地もそのまんま。まあどうでもいいけど。でも開発に反対するなら、分別とか相乗りとか公共交通機関の利用とか推進すべきなんだろうけど絶対やってないだろうね。 買い物とか、ガソリン代とか保険などの総コスト+各家庭が遠出した場合の大気汚染やCO2排出を考えれば遠出するより近くの商店街の方が得だったりするんだけど、「車を持つこと」がデフォな地域で商店画の壊滅は避けられないようです。ステータスでもあるし、先のライフスタイルに疑問を持たないようではね。 残るのは、車ににおいがついちゃう魚屋と、揚げたてのコロッケがオイシイ肉屋と、毎日買う野菜を売ってる八百屋だけ。たまにメシ屋。ちなみに池袋は逆で、メシ屋はどんどんチェーンに押されてるけどね。 九州の田舎や東京の都心を体験し、大学でそこそこ勉強した俺の目に映った「故郷」は「病気」に見えました。あのままあそこに住んでいたら、あれが普通と思っていたわけで、引っ越しをしてくれた親に感謝しています。もしもあそこにいたら絶対に今パンクを聴かないしやってないだろうし、ましてやクライマーはやらなかったでしょうから。 とはいえ、大なり小なりどんな所でも不健康な部分はあるわけで。田舎はやたら因習的で男尊女卑で、みたいなね。故郷は、カオスや不健康さが全くない、そういったイレギュラーな要素を徹底的に排していました。その意味で病気でした。なんというか、とにかくうさんくさいというか。真性ライトなウイングの方は、「崩壊していく古き良き日本」をどう思っているのでしょうか(笑)。まあ「昔がよくて今が悪い」ってのは大概の場合思い出を美化しているだけで、今日の俺は「昔からおかしかった故郷を再発見した」といったところだろうけど。帰りにアマルティア=センの「人間の安全保障」を読みながら、ああいう良い家に住んでいたら絶対に理解不能だろうなと思った。教育やまともな居住空間はあそこにとってデフォルトだろうから。同じ日本でも荘でもない地域は既にかなり存在するのですがね。 #
by g2005
| 2006-06-03 22:08
3月中旬に退職、その翌日に飛行機で上京し、某出版社の入社試験を受ける。その日 は、山で知り合ったバム系クライマー(*1)たちの住む巣鴨(というより茗荷谷)のアパートに泊まり、クライマー2名(ボロアパート住人)+同住人のパンク+俺の4人でどんちゃん騒ぎする。周りが超高級住宅地なので、防音がしっかりしているらしく苦情はこないようだ。他の住人もギター弾いたり耳が遠いおばあちゃんだったりでノープロブレム。しまいにはギターを引っ張り出しブルーハーツを歌い出すありさま。「4人いたらバンドできるじゃん!」ということでスタジオにいくことになった。
2~3日滞在して御岳で岩登りなども楽しみ、帰鹿。3月の残りを、引っ越し準備などに当てる。 3月末日、引っ越し。鹿児島加世田を引き払い、宮崎の実家へ。この日、1次試験通過の知らせ。二次は4月7日。その間に保険的に登山系ツアー会社の面接を受けに福岡へ。事情を全部話したが、快く「落ちたらウチにきなよ!」と言って頂けた。 4月7日、上京。巨大なボルダリングパッドを担いでお茶の水駅で乗り換えたりするのにはかなり危険を感じた。東京の友人たちとのメールのやりとり(「面接なんかなんとかなる」「リーマンなんかどうでもいいだろ」「リーマンなんか止めてクライミングバムになれ」「もっと人生ランナウトしろ(*2)」)などの数々のありがたいアドバイスのおかげでかなりリラックスしていた。 面接官「弊社の業務は~といった感じなんですが、Gさんはどのようにお考えですか?」。 俺「楽しそうですね。」 面接官「楽しそう!?」 面接官「弊社を志望した動機をお聞かせ下さい」 俺「待遇が良かったという点と、私のキャリアを活かせるということ、さらに、御社のことは~で存じ上げていたので、これも何かの縁かなと思い、受けさせて頂きました。」 面接官「え?待遇、そんなに良くないですよ…(面接官同士で苦笑)」 俺「そうですか?そんなことはないと思いますけど」 面接官「鹿児島から出てくるのは大変でしょう。お金もかかったんじゃないですか?」 俺「正直なところ、御社しか受けていませんので、よろしくお願いします」 こんな調子でかなり型破り系だったと思うが、とりあえず「御社の犬になります」「私困ってるので助けてください」と言うことはアピール。 面接結果が出るまで例のボロアパートに転がり込む。前回の飲み会での決定通り巣鴨の貸しスタジオへ。全曲ブルーハーツ。俺はボーカル(楽器弾けないしね…)。楽しすぎ&興奮しすぎて、このあとジンマシンが出た。 面接結果が出るまでの間、区役所に行ったり職安に行ったりクライミングしたり。 4月14日 最終的な面接。事実上採用決定。さすがに居候は不味いだろうということで部屋探しを始め、池袋の格安物件を問い合わせたら、敷礼0という恐るべき物件を紹介され、即決定。6畳、水道、便所、風呂・ガス無し。概観は爆撃直後。 ドアは傾いていて途中までしか開かない、便器が割れてる、窓のカギが壊れている、排水口から悪臭などの、住んでみて分かった数々のトラブルがあったが、風呂が徒歩1分なのはありがたい。 4月21日 初出社 楽勝。こんなんでええの? 以降、仕事を覚えながら徐々に悪臭や水回り、窓のカギなどを改善しつつ、仕事帰りにクライミングジムに寄るというかなり理想的な生活を送っています。 しかしこの部屋の悪臭はちと手強いです。6割くらい改善しましたが、完治は無理です。最悪、水道屋を呼ぶしかないな…。 社会的なことを何も言ってませんでしたね。 とりあえず去年貯めた金はあっという間に無くなり、親に金を借りました。 3月25の給料から丸2月で40万使ったことになります。 まあGWに山行ったし、九州と東京を1,5往復して家まで借りているんだから当たり前と言えば当たり前ですが、コトを起こそうと思ったとき、やっぱり4~50万はないとキツイと言うことです。果たして、この低賃金社会でそうした金をそう簡単にためられるんでしょうか? また、このアパートに住んでいる方は様々ですが、バム系など「やりたいことがあって、それを優先するためにボロアパート」という方もいれば、ただ金がない日雇いの方もいます。水商売のおばさんもいます。 そして、年金で生活されている方がいます。 年寄りをこういうギリギリ系ボロアパートに住まわせて良いんでしょうか?絶対に年寄りに優しい造りになっているとは思えないこのアパートに。 電車に優先席設けてる場合じゃないんじゃないですか? 福祉って何? など色々考えてしまいます。 #
by g2005
| 2006-05-23 01:38
以下の文章は「S氏の時事問題」へのトラックバックです。
----------------------------- http://blog.goo.ne.jp/shigeto2004/e/8030a7275e9ae0e293315afad1b02098 データを基に問題提起をされている。基礎的な点を踏まえており、議論・考察するためのいい土台となっている さっそく、考察してみよう。『加えて、当時の「規制緩和」の流れの中で、雇用に関する法律の改定が行われて派遣労働の許容される業種・職種が拡大されたことが、この傾向に拍車を掛けることとなった。』とあるが、なぜ「労働の規制緩和」が行われたのか。 俺としては、日本における「労働の規制緩和」は、結局の所「最小コストで最大利益を上げる」という企業の基本原理の体現に他ならないと思う。 すなわち、経済の国際化を前提に、「このままでは仕事をアジアに取られる」と煽り、賃下げ、リストラ、非正規雇用の増大といった諸「緩和」を正当化したのだと思う。こうすることにより、人件費を抑制し、総コストを下げる事ができる。60年代の公害は「内部不経済の外部化」に起因するが、今日では、「不経済」として切り捨てる対象を生産過程のみならず人間まで広げたということだ。(公害では「生産に起因する廃物の処理」を外部化した=無処理で外部環境に放出した。さらに、それによって発生した環境問題・健康被害も「外部化」した) すでに英米では「サッチャリズム」「レーガノミックス」といった諸外国版「構造改革」が行われ、格差社会(俺は「差別社会」と言いたい)が出現している。政府・財界はこうした流れに乗り遅れれたくなかったのだろう。確かに、そうすることにより「日本」は国際社会の中で経済大国としての地位を保てるだろう。 しかし、それで割を食っているのは大多数の国民だ。これは「お国のための戦え」の再来ではないのか。 竹中平蔵は、少数のエリートに国民全体を引っ張ってもらうか、みんなで貧乏になるかの二者択一だ、そして前者の方が国民全体がハッピーになれるというようなことを宣っている。頑張ればエリートないし準エリートになれるという「流動性」と、最低限の生活が保障されていればこうした仕組みもそう悪くはなかろう(そうでなければ暴動が起こるだろう)。しかしご存じの通り、日本は「頑張っても報われない社会」である。「東大卒のオヤジの息子はやっぱり東大生」で、「医者の息子はやはり医者」なのである。これは資本主義の名を借りた封建主義ではないか。流動性がなくなってきていることは既に各方面で明らかにされているし、皆さんも何となく気付いているだろう。 そもそも「労働の規制緩和」をしないとみんな貧乏、というのが眉唾ではないのか。それを実証するデータや経験はあるのか(大体、内需拡大という視点はどこへ行った?)。 また、よその国が不当に安い人件費で総コストを下げているというなら、それは人権問題である。そのような「抜け駆け」を許さないためにILOがあるし、日本国憲法前文は、そうした人権問題解決のために努力することが日本の使命であると示している。ただ、諸外国は、世界に冠たる残業帝国である日本にだけは言われたくねーよ、と思うかも知れないが。 そうしてみると、「規制緩和」の流れが止められないなら、せめて人事評価基準の見直し、非正規雇用者の処遇改善などによる「頑張った人が少しでも報われる」方向への「カイゼン」を望みたいと思う。 #
by g2005
| 2006-03-31 15:35
本日は12時間勤務。ま、いいけどね。それよりも某幹部の発言が心に残るなあ。
はじめてぶっちゃけますが俺は塾講師です。先日の幹部の、学費未納の生徒についての発言。いうまでもなく、払わないのは子どもでなく親。現場としては、子どもを傷つけずに親から金を戴くのがベストな対応であるのだが。 「料金を払わないまま通塾するということは、お金を払うというルール守らなくても良い、と言うことを教えているような物です。だから、2ヶ月滞納した時点で生徒本人と面談して、あなたはお金を払っていないから通うことはできないと伝えてください。そうすれば未納金が3ヶ月、4ヶ月と溜まることはないでしょう。 大体、子どもは、親が学費を払っていないことくらい気づいているはずなのです。だから、自分で新聞配達するなり、家事を手伝うなりすればいいのです。それが本人の勉強にもなります。」 細かい部分はうろ覚えだが、生徒本人にぶっちゃけろと言うのである。その方が本人のためだと。なるほど。確かに教育学でいう「ヒドンカリキュラム」ではありましょう。だから、悪いことを学んでしまう前に、子どもを傷付けてもいいからぶっちゃけろと。それが子どものためだと。 一見正論に見えますが、正義の名の下に爆撃するどこかの国にそっくりな理屈です。相手のことを考えているようでいて、実は自分の都合しか無い所なんか実にそっくりですこの世のどこに、目の前で傷つく子どもを見たい人間がいるのでしょうか?しかも教え子ですよ?そんなことをしたらその日一日鬱で仕事できません。ていうか自殺したくなります。それとも「仕事」と割り切れとでも? 痛みは初めのうちだけ 慣れてしまえば大丈夫 そんなこと言えるあなたは ヒットラーにもなれるだろう (THE BRUE HEARTS"ロクデナシ" ) ところで、労働基準法を無視してサービス残業&早出させまくっているのはルールに反しないのでしょうか? 他人に厳しく自分に甘いお方です。逆に、こういうことが言える人だから、人の上に立てるのでしょう。 人の上に立つと言うことは、文字通り、人を人と思わず、踏み台か何かの如く、相手に思いを馳せることを放棄し、踏みにじって、そのうえに立つということなのかと、齢25にしてようやく理解できました。 マイケル・ムーアやNOFXには悪いけど、日本が銃社会だったらなあという思いを禁じ得ません。 長くなりましたので、最後に、国連機関の1つである国際労働機関(ILO、当時は国際連盟の専門機関)が1944年5月に採択したフィラデルフィア宣言を、前投稿でも引用しましたが、引用しておわりにしたいと思います。一応念のためにいっておきますが、日本もILO加盟国であります。 国際労働機構の目的に関する宣言 国際労働機構の総会は,その第26回会期としてフィラデルフィアに会合し,1944年5月10日,国際労働機構の目的及び加盟国の政策の基調をなすべき原則に関するこの宣言をここに採択する。 1 総会は,この機構の基礎となっている根本原則,特に次のことを再確認する。 (a) 労働は、商品ではない。 (b) 表現及び結社の自由は、不断の進歩のために欠くことができない。 (c) 一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である。 (d) 欠乏にたいする戦いは各国内における不屈の勇気をもって,且つ,労働者及び使用者の代表者が,政府の代表者と同等の地位において,一般の福祉を増進するために自由な討議及び民主的な決定にともに参加する継続的且つ協調的な国際的努力によって,遂行することを要する。 #
by g2005
| 2006-02-19 23:57
| 主張
本日は早出して仕事。契約社員2人が自主早出、所長を含む社員3人が遅刻というなかなか豪快な滑り出しでスタート。顧客(の親)らへの説明会と顧客の勉強会&テストというハードな3本並行。なんとか回す。
午後、ようやく手が空き、所長は顧客の未納金回収で遠出。 残留組はテスト採点や残務。早出の契約社員(女性)がぶっ倒れそうだったので、早めに退社しようということになり、一応所長に報告の電話。露骨に嫌な声。 俺→退社決定 社員A→来期も頑張る 社員B→退社決定 契約の女性→来期も頑張る この状況で自主的に何かするだろうか?契約社員はどんなに頑張っても(幹部の見ているところで頑張らない限りは)給料上がらないし、ボーナスは一円も増えないし。社員は頑張れば3倍とか出るけど。 所長「頑張って目標達成してボーナスたっぷりもらいましょう!」 だから俺は頑張っても変わらないんだって。 頑張ったら社員になれる、っていったのは所長ですね。 嘘ばっかつかないでください。なんか、あんま信用できなくなってきました。 人間不信か、終わってるな、俺。 あー、はやく人間になりたい。 #
by g2005
| 2006-02-18 23:48
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