だいぶ前の文章ですが、掲載します。
昨日、寮の後輩の部屋で就職関係のハウツー本を読んだ。この手の本が本屋で山のように積まれているのはよく見かけるが、手にとってちゃんと読むのは初めてだ。読んでみると、「採用する側」の考え方、心理が事細かに書いてあってなかなか面白い。だがちょっと気になった。 昨日か一昨日か忘れたが、読売新聞に、大手企業ですら新入社員の三分の一が3年以内にやめていくという記事があった。人が会社を辞める理由には様々なものがあろう。しかし、企業側は「なるべく長く勤めて欲しい」(日経連の言う「長期蓄積型」)と思って採用しているはずなのに、この実体は、何を意味するのか。 先に述べたように、辞めるのには様々な理由があるが、三分の一という数となると、その背景を考えざるを得ない。俺は、背景の一つに、採用制度の不備を指摘したい。 もちろん、大学のモラトリアム的性格や、昨今の雇用情勢は大きく関与しているであろう。しかし、面接に重きを置いた採用制度に、俺は大きな疑問を感じている。 まず、こうしたハウツー本をちゃんと読めばパスできてしまう面接に意味があるのかということ。面接官は受験者の対応を通じて人間性や考え方を見たい筈であるが、このように「面接モード」で武装されては、普段着の受験者が分からないであろう(入社後も常に「面接モード」の如き仮面をかぶっていられるならそれもよかろうが、残念ながら普通の人間には不可能だ)。長時間・長期間仕事をしていれば必ず「地」が出る。見たいのはその地であろうが、賢い受験者はハウツー本でそれを隠す。ならば、面接など茶番ではないか。 次に、これは論理立てた主張ではなく、俺の感情的な考え方だが、「人が人を試す」という行為自体が傲慢ではないだろうか。 筆記テストは受験者の学力を客観的に測る。しかし、神ならぬ人が、受験者の人間性を客観的に測るなどということが可能なのだろうか? 人間について、もっと深く考えて欲しい。人間が人間を試す?何様だよ、お前は。
by g2005
| 2005-05-18 03:39
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