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「異常」として排除するか、それとも深く考えてみるか

以下引用
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社会ニュース - 8月29日(月)14時37分 駐在所襲撃、ホラーゲームがヒント?中3同級生が語る
 宮城県警佐沼署の駐在所警察官刺傷事件で、強盗殺人未遂容疑で送検された同県石巻市の中学3年男子生徒(14)の同級生が同署に対し「事件での凶器の扱い方が、生徒が遊んでいたホラーゲームとよく似ている」などと話していることが29日分かった。
 生徒の部屋からホラーゲームなどのゲームソフト類も押収されており、同署は生徒がゲームの影響を受けて事件を起こした可能性があるとみて調べている。
 同級生が同署に話したところによると、生徒が凶器の包丁の柄に粘着テープを巻いていたのは、ホラーゲームのキャラクターが使っていた凶器を参考にしたとみられるという。このキャラクターは、2本の刃物を両手で操って敵を倒すという設定で、2本の包丁を使った今回の事件の襲撃方法と似ている。  生徒は中学2年のころには、人気アニメの登場人物が回転式の拳銃を撃って活躍するシーンを見て、「アメリカに行って本物が欲しい」と漏らしていたという。  また、生徒は調べに対し「拳銃を奪って自殺しようとした」と供述しており、将来のことで悩んでいたことなどから、同署は生徒が拳銃自殺しようとしたのが動機だったとみている。(読売新聞) - 8月29日14時37分更新
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以上引用


少年犯罪→ゲーム・アニメのせい。めでたしめたし。このニュースを聴いた瞬間にこういった報道がなされると確信していました。このニュースをよく読んでみると、なんで中学生が自殺を、それもよりにもよって拳銃自殺をしたいと思ったのか、部分は謎のまま、「とりあえずゲームのせい」としている。また、このくらいの年の子が銃器など派手な物に目を引かれるのは当然で、男なら一度くらいは「ホンモノをぶっ放してえー」と思うだろう。 なぜこんなことが「原因」になるのか?



以下引用
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社会ニュース - 8月29日(月)4時28分 駐在所襲撃の中3、100円ショップで包丁購入  

 宮城県登米(とめ)市の駐在所警官刺傷事件で、強盗殺人未遂容疑で送検された同県石巻市の中学3年の男子生徒(14)は、凶器の肉切り包丁2本を、1年以上前に100円ショップで購入していたことが28日、わかった。
男子生徒は「武器全般に興味があった」という趣旨の供述をしており、佐沼署は、モデルガンだけでなく、刃物にも関心を寄せていたとみて、購入の動機や事件との関連を調べている。
調べでは、男子生徒は、自宅から約15キロ離れた登米郡(当時)内の100円ショップに家族と一緒に買い物に出かけた際、刃渡り約20センチの肉切り包丁を購入。「家族に『何に使うのか』と聞かれたが、適当に言い訳をした」などと話しているという。同署の調べに対しても、「目に付いたから」などと供述するだけで、購入の理由をはっきり説明しないという。(読売新聞) - 8月29日4時28分更新
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 ↑刃物マニアなら100円ショップの包丁なんか使わなかっただろうし、そうしたら警官はやばかったかもしれない。何としてでも、犯人は「銃器・刃物オタク」で「ゲームマニア」で「異常」としておきたいのだろう。そうすれば「あいつが異常だっただけで、我々の社会は正常なのだ」と安心できるから。

 銃器マニアや刃物マニアというのは相当数いる。なにせ毎月ミリタリー雑誌が田舎の書店に並ぶほどだ。にもかかわらず、このような行動を取るのはごく一部でしかない。アニメオタクもゲームオタクも同じ。相当数いるが、犯罪を犯すのはごく一部でしかない。サラリーマンが殺人を犯したからと言って、「サラリーマン=悪」となるだろうか。むしろ割合で言ったら、政治家の汚職とかの方が圧倒的に高いだろう。その意味で「政治家=悪」は正しいのかも。

 話が逸れた。「なぜ、大多数のマニアは犯罪を犯さず社会と共生できるのか。なぜ少年は共生できなかったのか」という疑問に、真っ向から答えることが、知的営為というものではなかろうか?

 アホ親、アホ地域、アホ教師、アホ文部行政、展望のない社会=アホ政治家により、子どもたちは絶望的なポジションにいる。本質的には、そういった背景を考えなければならないのではないか?もしも未来があれば、少年に夢があれば、愛があれば、こんなことをしなかったのではないか?

 多くのミリタリーマニアが一線を越えないのは、俺が思うに、彼らには「夢」や「愛」といった、希望につながるモノがあるのではなかろうか。

 ちなみに、ロキオンで読んだ面白いネタがある。APCというバンドのフロントマンであるメイナードという男のインタビューにのっていた事だ。彼はアメリカの大統領選中にイマジンを初めとする反戦歌のカヴァーアルバムを出した。そのヴィデオクリップがあまりにえげつなさ過ぎて放送禁止になったのだ。しかし、インタビューで彼が言うには、クリップに使った全ての素材は、普段ニュースで流れている映像を使ったのだという。普段テレビに出ている映像をちょこっと編集したら、放送禁止になるくらいの残虐映像になったとさ。

 確かに、一部のゲームやアニメは一部の人間に対して良くない影響を、つまり反(脱)社会的な影響を及ぼしかねない。しかし、それを言うなら、ニュースの映像も、広く浅く貢献しているのであろう。なぜ問題にならないのか?簡単だ。メディアは、多少の「異常人間」を製造してしまうかも知れないが、それよりも、本当は狂っているこの世界を正しいと言いたいのだ。3秒に一人の割合で餓死する子どもが、戦車に石を投げる子どもがいるこの世界を。そうした現実を支えている日本という国を。そういうことは隠しておいて、とりあえず現状肯定させたいのだ。そうしておいて、たまに出てきた「異常者」の脅威を煽ることにより、さらなる現状肯定を勝ち取るのだ。

 だが、分別のある人間なら、こんな世界を変えたいと思うのではないか?

 俺には、一日約2万の危険手当を、国際貢献の名の下に、現地民にあまり感謝されていないイラク・サマワの自衛隊員に払うことの意味が理解できない。もっとマシな使い道ないのか?
 俺には理解できない。世界中に出かけていって、爆撃したり拷問したり虐殺したりする国を「支持する」ことの意味が。そうした国を「支持する」政権を選挙でえらんでしまう人が。
by g2005 | 2005-08-29 21:47
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